クラシカルな雰囲気で根強い人気を誇るサイフォン

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数あるコーヒー抽出方法のうちバキューム法という蒸留圧を利用してコーヒーを抽出する器具がサイフォンです。その機能だけでなく、器具の姿からインテリア素材として用いる向きも多くなっています。初のバキューム式といわれ、19世紀前半にイギリスで考案されたナピア式をはじめ、初期のサイフォンは2つのポットを同時に並べた形状でしたが、20世紀にアメリカや日本で、現在、普及しているような縦型のものが考案されたのです。

サイフォンとは

抽出のメカニズムは下のフラスコの水を沸騰させると蒸留圧でコーヒーの粉がある上のロート部があがります。粉から成分が湯に浸出されたところで、火を外して温度を上げて圧力が低下すると、下にコーヒー液が落ちるようになっているのです。ドリップ式のように、手技が求められることもないので、ブレの少ないコーヒーを入れることが容易ですが、基本的に高温での抽出となりますので、苦みが出やすいのが難点となります。

サイフォンに適した豆選びとデリケートな器具の取り扱いには十分に注意が必要です。サイフォンでコーヒーを入れるには、フィルターをまずはセットします。紙フィルターなら使い捨てができるので便利ですが、布フィルターなら新しいものであれば、一度コーヒーで煮てから香りをなじませて使用し、使い終わったら洗剤を使わずに、よく洗いきれいな水につけて冷暗所に保管が必要です。一定の頻度で使う場合にはフィルターを布につけたままで水に浸します。

フィルターをセットしたら、フラスコに熱湯を入れて人数分のメモリを目安としてやや多めに入れ、メジャースプーン1杯分、10gの粉がコーヒー1杯分に相当しますので、入れる杯数が増えるごとにメジャースプーンに軽く1杯ずつ加えるのです。ロート部の管の部分を手でもってゆすり、粉の表面を平らにして、フラスコ内のお湯が沸騰したタイミングで差し込みます。湯がロートに完全に上昇したらヘラでかき混ぜて30秒後にアルコールランプを消すと、ロート内のコーヒーが落ちてくるのです。サイフォンは苦みが出やすいので、吹き上がったら加熱時間を長くしすぎないのがポイントになります。フラスコに落ちたコーヒー表面の泡が完全に消えたらカップに注いで完成です。

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